募金の目的が書かれていない募金箱

この写真は11月23日に撮影したものです。しばらく前から、募金箱を囲む壁の部分は復活していましたが、募金の目的が書かれたポスターは撤去されたままです。「ジャイアントパンダ保護サポート基金」とだけ書かれた募金箱に、いったいどれだけの人がお金を入れるでしょうか。
なぜジャイアントパンダの保護が必要なのか、保護のためにどういう活動が行われているのかを具体的に説明すれば、少しでも協力したいと思うパンダファンはいるはずですが、そういう説明が上野動物園にはほとんどありません。ジャイアントパンダ観覧エリア入口に、申し訳程度にジャイアントパンダに関する説明がありますが、あそこで立ち止まる人は来園者全体のうち何割いるでしょうか。だいたい、混み合って行列ができるようなときは、あそこで立ち止まることすら許されません。
一方で、パンダを見に来た人が必ず見るであろう場所(パンダと来園者を隔てるガラス窓の横の壁)には、どこで寝るのが好きとか、どうでもいい情報ばかり。屋外運動場の観覧通路の背後にあるボード(SAVE THE PANDAサポーターの名前が掲示されているボードの裏面)も、パンダ保護を訴えるには絶好の場所だと思いますが、実質的に運送会社の広告になってしまっています。広告料がパンダ保護に役立っていれば、それはそれで結構ですが、あのスペースをそれで終わらせるのはもったいないと思います。ボードの掲示も最近更新されたようですが、1枚は「リーリーとシンシンはこんなふうにやってきた」(飛行機やトラックの写真入り)、もう1枚は「リーリーとシンシンはこんなふうにすごしている」ですからね。
繰り返しになりますが、なぜ上野動物園ジャイアントパンダを借りて展示してるのか、借りるのと引き換えに中国のパンダ保護に資金援助をしているのかをきっちりと説明すれば、Yahoo!トピックスでパンダの話題が取り上げられるたびにYahoo!のコメント欄で「パンダは中国に返せ」だの「税金の無駄遣い」だのと書いている人たちも、もう少しおとなしくなると思います(あのコメント欄は気にしないのが一番ですが)。
それなのに、1年半以上経過したのに今さら来日のときの説明。動物園の役割とは何なのでしょうか。本当にがっかりです。