昨年よりも騒ぎがエスカレートしそう

昨年夏にシンシンが出産してから1週間ほどの、世間の異常なほどの騒ぎにはうんざりしましたので、どうか今年はジャイアントパンダ飼育のほんとうの意義が世間に伝わりますようにと祈ったものですが、どうやら騒ぎぶりがエスカレートしているようです。「シンシンに発情の徴候がみられるから翌日から展示中止」の時点で早くもテレビカメラが集まってるし。というか上野動物園が集めたんですよね。交尾したら即座に映像を配信。そりゃマスメディアはとびつくでしょうが、全国ニュースで流すほどのことかなあ。このニュースの社会的意義ってなんでしょうか?

上野動物園からの公式発表も

http://www.ueno-panda.jp/topics/detail.html?id=142
3/7からしばらくの間、ジャイアントパンダの展示を中止します
【2013/3/6】
 上野動物園では、ジャイアントパンダが繁殖期を迎えた際に展示を中止することをお知らせしましたが(くわしくはこちら)、このたび、シンシン(メス)に発情徴候が認められたため、リーリー(オス)との同居の準備をおこないます。

 これに伴い、2013年3月7日(木)から展示を中止をいたします。ジャイアントパンダに会うために来園を予定されていた皆さまにはご迷惑をおかけします。どうぞあたたかく見守ってくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

 展示中止期間は、2013年3月7日(木)から「しばらくの間」です。展示再開につきましては、後日お知らせいたします。


ジャイアントパンダの繁殖期
 ジャイアントパンダの繁殖期は一般的には年1回、2月から5月に訪れます。しかし、メスの妊娠の可能性が高まるのは数日間だけ。上野動物園では、メスの交配適期を見きわめて2頭を同居をさせ、自然繁殖を目指しています。

◎展示中止に至る経緯
 2013年3月4日から、シンシンがいつもより多く歩き回ったり、繁殖期特有の鳴き声(恋鳴き)を出したりするなど、行動の変化が現れ始めまし た。3月6日には、こうした行動の傾向が強くなってきたため、発情の徴候と判断しました。観察を続け、タイミングを見きわめながら、リーリーとの同居を試 みます。

という感じで、これがジャイアントパンダにとってどのような意義を持つことかは書かれていません。確かに生命の誕生はどんな動物でも喜ばしいことですが、なぜジャイアントパンダのときだけ、このように騒ぐのか。相変わらず、ジャイアントパンダ絶滅危惧種であることは触れられていません。
といっても、まったく触れていないわけではなく、なぜか3月9日の「ジャイアントパンダの近況」(http://www.ueno-panda.jp/topics/detail.html?id=147)には、

ジャイアントパンダは野生で数の少なくなった希少種です。パンダの保全のために中国と東京都は共同研究を進めています。

という一文があります。単にその後の「今年も繁殖期に入ったので、昨晩(3月8日夜)中国から獣医師1名が来日し、3月9日朝から上野動物園の職員とともに観察しています。」の前振りだったのかもしれませんが、テレビカメラの前でこういうことを話してほしかったです。副園長さんも教育普及課長さんも。こういうときにアピールしないで、いつするのでしょうか。地元は経済効果のために借りていると思っているようですが、どうか広言しないでほしい。先進国なのに恥ずかしいことです。